五苓散がむくみに効く理由とは?頭痛にも用いられる効果をわかりやすく解説

「夕方になると靴がきつくなる」
「朝起きると顔がパンパンになる」
「天気が悪くなると頭痛がする」
このような「むくみ」や「頭痛」に悩んでいませんか?
むくみや頭痛は、塩分の摂り過ぎや長時間同じ姿勢でいることだけでなく、体の中の水分バランスが崩れることでも起こります。
そんな水分バランスを整える漢方薬として、古くから使われているのが五苓散(ごれいさん)です。
五苓散は、むくみのほか、雨の日や台風前に起こる頭痛など、水分バランスの崩れが関係すると考えられる症状にも用いられています。また、医療機関で処方されることもある漢方薬です。
この記事では、次の内容をわかりやすく解説します。
五苓散の商品ページはこちら
1. 五苓散がむくみに効く理由
五苓散は、5種類の生薬で作られた漢方薬です。
漢方では、体の中の水分が必要な場所にうまく巡らず、余分な水分がたまった状態を「水滞(すいたい)」と考え、「水毒(すいどく)」と呼ばれることもあります。
例えば、次のような状態です。
- 足はむくんでいるのに、のどが渇く
- 雨の日になると頭が重い
- お酒を飲んだ翌日に顔がむくむ
このような症状も、水滞(水毒)が関係していると考えられています。
五苓散は、この崩れた水分バランスを整えることで、さまざまな不調の改善を目指します。
一般的な利尿剤との違い
「むくみに効く」と聞くと、利尿剤と同じような薬をイメージするかもしれません。
しかし、五苓散は一般的な利尿剤とは働き方が異なります。
利尿剤は、尿の量を増やして水分を体の外へ出す薬です。
一方、五苓散は、余分な水分を排出しながら、必要な水分は保つように働き、体全体の水分バランスを整えます。
つまり、「水を出す」のではなく、「水の巡りを整える」ことが特徴です。
そのため、「のどは渇くのにむくむ」といった、一見矛盾したような症状にも用いられます。
西洋医学でも研究が進んでいる
近年では、西洋医学の分野でも五苓散の研究が進んでいます。
私たちの細胞には、「アクアポリン(水チャネル)」という、水だけが通る通路があります。
五苓散は、このアクアポリンの働きに影響を与え、水分が必要な場所へスムーズに移動できるよう助けている可能性があると考えられています。
漢方では「水の巡りを整える」と表現し、西洋医学では「水の通り道に働きかける」と説明されますが、どちらも体の水分バランスを整えるという考え方につながっています。
2. 五苓散が用いられる症状
五苓散は、体内の水分バランスの崩れが関係するさまざまな症状に用いられます。
むくみ
長時間の立ち仕事やデスクワーク、塩分の多い食事などが続くと、足や顔に余分な水分がたまりやすくなります。
五苓散は、水分の巡りを整え、余分な水分の排出を助けることで、むくみの改善を目指します。
特に、次のような方に用いられることがあります。
- 夕方になると足がむくむ
- 朝起きると顔がむくむ
- 水を飲むとむくみやすい
- のどが渇くのにむくむ
- 尿の量が少ないと感じる
雨の日の頭痛・めまい
「雨が降る前になると頭が痛くなる」
「台風が近づくとめまいがする」
このような気象の変化による不調にも、体内の水分バランスが関係している場合があります。
五苓散は、水分の巡りを整えることで、低気圧による頭痛やめまいの改善に用いられます。
頭が重い、耳が詰まるように感じるなど、いつもの前触れを感じた段階で早めに服用すると、症状が軽くなることもあります。
二日酔い
お酒を飲み過ぎた翌日には、
- 頭痛
- 吐き気
- 顔のむくみ
などが起こることがあります。
五苓散は、飲酒によって乱れた水分バランスを整えることで、こうした二日酔いの症状にも用いられています。
また、水っぽい下痢や急性胃腸炎など、水分代謝の乱れが関係する症状に用いられることもあります。
すべてのむくみに合うわけではない
五苓散は、水分バランスの乱れが関係する症状に使われる漢方薬です。
しかし、むくみの原因は水分の巡りだけとは限りません。
次のような症状がある場合は、心臓や腎臓、血管などの病気が隠れていることがあります。
- 片足だけが大きく腫れている
- むくみが急に強くなった
- 息切れや胸の痛みがある
- 高熱や強い痛みを伴う
このような場合は、自己判断で五苓散を飲み続けず、内科などの医療機関を受診し、必要に応じて検査や診断を受けましょう。
五苓散の商品ページはこちら
3. 五苓散を構成する5つの生薬
五苓散は、5種類の生薬が組み合わさることで、水分の巡りを整える漢方薬です。
沢瀉(たくしゃ)
五苓散の中心となる生薬です。
体にたまった余分な水分の排出を助け、水分代謝を整える役割があります。
猪苓(ちょれい)
沢瀉を助けながら、余分な水分を尿として排出しやすくします。
茯苓(ぶくりょう)
胃腸の働きを支えながら、水分代謝を整えます。
体に余分な水分がたまりにくい状態をつくるために使われます。
朮(じゅつ)
胃腸の働きを助け、余分な水分をため込みにくくします。
使用される製品によって、白朮(びゃくじゅつ)または蒼朮(そうじゅつ)が配合されます。
桂皮(けいひ)
体を温め、血液や水分の巡りを助ける生薬です。
冷えによって巡りが悪くなった体をサポートする役割があります。
5つの生薬が協力して働く
五苓散の5つの生薬は、それぞれ異なる役割を持っています。
- 沢瀉・猪苓:余分な水分の排出を助ける
- 茯苓・朮:胃腸を支え、水分代謝を整える
- 桂皮:体を温め、水分の巡りを助ける
これらが組み合わさることで、五苓散は余分な水分を出すだけでなく、体全体の水分バランスを整える漢方薬として用いられています。
4. 五苓散の飲み方と注意点
飲むタイミング
五苓散は、一般的に食前または食間に服用します。
食前は食事の30分ほど前、食間は食後約2時間が目安です。
空腹時に服用すると胃の不快感がある方は、無理をせず食後に服用しても構いません。
効果が現れるまでの目安
五苓散の効果を感じるまでの時間には個人差があります。
急なむくみや気象の変化による頭痛、二日酔いなどでは、比較的早く変化を感じる方もいます。
一方、慢性的なむくみでは、体質や症状によって効果を感じるまで時間がかかることがあります。
一定期間服用しても改善しない場合は、自己判断で続けず、医師や薬剤師に相談しましょう。
服用前に相談したほうがよい方
次に当てはまる方は、服用前に医師や薬剤師へ相談してください。
- 妊娠中または授乳中の方
- 持病のある方
- 他の薬を服用している方
- 高齢の方
- これまでに薬でアレルギー症状を起こしたことがある方
また、服用後に発疹やかゆみ、吐き気などの副作用が疑われる症状が現れた場合は、服用を中止し、医療機関を受診してください。
5. 他の漢方薬との違い
むくみに用いられる漢方薬は、五苓散だけではありません。
同じ「むくみ」でも、原因や体質によって適した漢方薬は異なります。
| 漢方薬 | 向いている人の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 防已黄耆湯 | 筋肉が少なく水太りしやすく、汗がよく出る方 | 体(皮膚)を引き締め、汗を止め、体の余分な水分の排出する |
| 当帰芍薬散 | 冷えや貧血傾向があり、疲れやすい方 | 血行と水分の巡りを整え、むくみや女性特有の不調に用いられる |
| 防風通聖散 | 体力があり、肥満や便秘を伴う方 | 便通を促し、余分な熱や脂肪の排出を助ける |
| 八味地黄丸 | 足腰が弱ってきた方や、頻尿、夜間尿が気になる方 | 腎の働きを補い、むくみだけでなく足腰の衰えや排尿の悩みにも用いられる |
水太りでよく汗をかく方は防已黄耆湯、冷えや貧血気味がある場合は当帰芍薬散、肥満や便秘を伴う場合は防風通聖散、足腰の衰えや頻尿などが気になる場合は八味地黄丸が候補になります。
むくみに用いられる漢方薬はほかにもあります。
症状だけでなく、体質や体力によって適した漢方薬は異なるため、迷ったときは医師や薬剤師、登録販売者に相談することをおすすめします。
6. まとめ
五苓散は、体にたまった余分な水分の排出を助けながら、水分の巡りを整える漢方薬です。
むくみのほか、雨の日の頭痛やめまい、二日酔いなど、水分バランスの乱れが関係するさまざまな症状に用いられています。
一方で、むくみの原因は一つではありません。
心臓や腎臓の病気などが原因となっている場合もあるため、急にむくみが強くなったり、息切れや胸の痛みを伴ったりする場合は、自己判断せず医療機関を受診しましょう。
大切なのは、「むくみがあるから五苓散」と決めつけるのではなく、自分の体質や症状に合った漢方薬を選ぶことです。
症状が長く続く場合や、自分に合う漢方薬が分からない場合は、医師や薬剤師、登録販売者に相談しましょう。
五苓散が自分に合うか迷っている方へ
むくみの原因は人それぞれです。同じ「むくみ」でも、体質によって適した漢方薬は異なります。
当店では、症状や体質をお伺いし、一人ひとりに合った漢方薬選びをお手伝いしています。
五苓散の商品ページはこちら
7. よくある質問(FAQ)
Q1. 五苓散はどんなむくみに向いていますか?
五苓散は、体の水分バランスの乱れによるむくみに用いられる漢方薬です。
例えば、
- 夕方になると足がむくむ
- 朝起きると顔がむくむ
- 水を飲むとむくみやすい
- のどが渇くのにむくむ
といった症状がある方に用いられることがあります。
Q2. 五苓散はどれくらいで効果が出ますか?
効果が現れるまでの時間には個人差があります。
急なむくみや二日酔い、気象病による頭痛などでは、服用後に比較的早く変化を感じることが多いですが、一方、慢性的なむくみでは、効果を感じるのに時間がかかる場合が多いです。2週間くらいを目安に様子を見られるといいです。
症状が改善しない場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
Q3. 五苓散は毎日飲んでも大丈夫ですか?
毎日服用しても大丈夫です。常にむくみやすいや低気圧の度に頭痛がするというのような場合は、体の中の水分バランスを整えるのに時間がかかるため、続けて服用されるのが良いです。
Q4. 五苓散はダイエットにも効果がありますか?
五苓散は、脂肪を減らすことを目的とした漢方薬ではありません。
体内の余分な水分の排出を助けることで、むくみの改善や水太りの軽減が期待できますが、脂肪を燃焼させる働きはありません。
Q5. 五苓散は二日酔いにも使えますか?
はい。五苓散は、アルコールによって乱れた水分バランスを整えることで、頭痛や吐き気、顔のむくみなど、二日酔いの症状にも用いられています。
Q6. 五苓散が効かないことはありますか?
はい。
五苓散は、水分バランスの乱れによる症状に適した漢方薬です。
むくみの原因が冷えや血行不良、肥満、心臓や腎臓などの病気の場合は、十分な効果が得られないことがあります。
症状が改善しない場合や悪化した場合は、自己判断せず医療機関を受診しましょう。
【監修者プロフィール】
株式会社ヘルシーライフ
代表取締役 赤尾 征樹(薬剤師)
創業明治42年、100年以上続く老舗「赤尾漢方薬局」4代目として、約20年にわたり漢方相談に携わる。長年培った漢方理論に基づき、一人ひとりの体質や症状に合わせた漢方相談を行っている。
シェア: